車を点検に出した。
「代車要りますか?」
「はい、何でも良いのでお願いします。」
「こんなのしかないですが・・・」
と言って出てきたのがウワサの電気自動車。
ニッサン・リーフである。
これ、要するに電池でモーターを動かして走る
ラジコンカーみたいなものです。
そんなのオレは認めない!
車として認めたくない!
電球に焚き火の代わりが出来ないのと同じだ!
と、食わず嫌いも大人げないので、
「あ、はい。どうもありがとうございます。
どうやってエンジンかけるんですか~?」
と乗り込んでみた。
スイッチを入れるだけ。
オモチャです。
はっきり言って。
でも、アクセルを踏んでみてびっくり!
ガソリンエンジン車には無い、不思議な加速感。
うなりを上げるエンジンフィールは無いものの、
走り出しから60km/hまでの加速はほんの一瞬。
ひょっとしたらガソリン車よりも良いかも。
その後70km/hまでの間にいったん踊り場を感じるものの
そのあと80km/hまでは一気に駆け上がる感じ。
これは侮れない!
未来のオモチャ、
いや、未来のクルマに違い無い!
どれどれ、エンジンルームを覗いてみよう。
あっ、そうか。エンジンルームとは言わないのかな?
モータールーム??
まあ良い。
とにかく見てみる。
何だコレは!?
まるですっきり整理整頓された優等生の机のようです。
真ん中の四角いハコがモーターです。
たったコレだけ??な見栄えはまさに未来!
しかし真骨頂はコレですよね。
ゼロエミッション。
後から見てもマフラーが見えません!
走っている間は一切二酸化炭素を排出しない。
これはやはり人類にとって、
いや、もっと身近な自分の子どもにとって大切なこと。
いま世界はモータリゼーションの絶頂期。
地球上で10億7千万台の車が走っていると言われる。
これだけの台数の車が全て電気自動車にかわったら・・・
それはきっと違う未来につながっているはず。
とは思うものの、80km/hから上はヒドイ加速感。
100km/hあたりで限界を感じる。
そして電気故の不安も。
満タンに充電しても走れるのは100kmそこそこ。
高速を使って東京まで行くには途中で6回ぐらいは
充電が必要なのだ。
充電できるところってそんなにあったっけ??
100kmごとに都合良く??
つまり社会がまだまだ追いついていないのだ。
大都会で60km/h以下でのチョイ乗りのための足。
それが今の電気自動車の限界なのかも。
10億のクルマを全てゼロエミッションにするまでの
道のりの長さに目まいを覚えながら、
点検を終えた10年選手の相棒に乗り換えた。
「点検完了です。リーフ、どうでした?」
「ありがとうございます。悪くないですね。」
「ですよね!カタログ入れておきます。エコ減税対象ですし、ぜひ!」
「いや、そんな余裕はウチには・・・。」
そうだ国のやり方がセコいのだ。
いっそのこと国が無償で交換するくらいでないと
間に合わないのではないだろうか。
そのための増税なら受け入れても良い。